電動バランサ「ムーンリフタ」は、吊り下げて使用するバランサです。用途によってはどうしても使用に適しない作業があります。
例えば、吊られた車体の下側から部品を搭載したり、ベンチシートのような横長の部品を車体のドアから水平方向に差込むような作業です。また、吊ると危ないワークや吊り上げるのが難しいワークも存在します。
そのようなアプリケーションのために開発しているのが、ワークをテーブルに載せて持ち上げるタイプのバランサです。
ワークを両手で直接持って自由に高さを微調整できます。
モータとボールネジでテーブルは垂直方向に駆動し、テーブル下部のロードセルで荷重を測定します。荷重をフィードバックしながらテーブルの上下動を制御することで、ムーンリフタと同様の動きを実現します。
チェーンタイプと違い、テーブルタイプはモーメントを許容できるので、片持ち状態の長尺ワークでもバランス動作させることができます。
このテーブル型電動バランサは、ワークの下面からの部品の搭載や天井が低い作業場など、ムーンリフタを適用できない場面に最適。また、水平移動機構と組み合わせて横方向へのはめ込みや、ドラム缶のようなワークの転回や反転などにも便利にご利用いただけます。
ムーンリフタは、サーボモータとロードセルで高さと荷重を制御しています。それに対しこのテーブルリフタは、三相インダクションモータを使っています。産業用途で一般的なモータです。
サーボモータは、永久磁石を取り付けた軸の回転角を角度センサ(ロータリーエンコーダ)で測定しながら、外周に十数個配置されている電磁石に適切な電流をかけることで制御します。非常に制御性が高いモータですが、ロータリーエンコーダと永久磁石が高価となり、高機能な産業用機器で使用されても一般的な荷役装置にはほとんど使われません。
一方、インダクションモータの回転軸は金属の筒で、永久磁石もロータリーエンコーダも搭載されていません。サーボモータのように回転角度を自由に制御することはできませんが圧倒的に低コストなので、産業用モータとして様々な分野で使用されています。
テーブルリフタは、三相インダクションモータをセンサレスで制御しています。秤量時の位置のホールドはブレーキで行い、バランス動作はロードセルで測定した荷重で行い、バランサの機能を十分実現しています。
ブレーキ付きインダクションモータを駆動源とする機器にロードセルを取り付けてチューニングすれば、電動バランサを構成することができます。つまり、ブレーキ付きインダクションモータを搭載した荷役装置には電動バランサの機能を付加することができるのです。これは様々な分野への応用が期待されます。
こちらはムーンリフタのアプリケーション例です。3台のムーンリフタで特殊な設定をすることなく簡単に姿勢制御が行えます。
今まで不可能だった制御を可能にしています。
こんな用途に最適
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